大正8年2月3日から2月7日の間に3回に亘り福岡日日新聞に掲載された西の「米国鉄道の電力化」と題する記事がある。
最終回に「附記 西工学士は最近米国より帰朝したる人にして現に松昌洋行の技師なり」と記されている。
この記事に於いて、西は石炭から電力の時代への転換を見通しながら同時にその視点は「人類の健康」に置かれている。
「蒸汽機関の使用は単に鉄道のみならず一般の工業上経済的罪悪なり、其末燃焼有用の炭素を空中に飛散し又灰中に逸失するは単に周囲を不潔にし人類の健康に大害を及ぼすのみならず燃料の濫費なり」
「紐育市の地下電気鉄道の如きも純然たる大鉄道にして年々数千万の客を乗せ且つ風雪の障害を受けざる故毎年交通に及ぼす効果計るべからず、斯くの如くなれば電気鉄道を以て決して贅沢なりとは云う事を得ず、電気機関車は一片の燃屑、燼灰及煤煙も残さずして静かに走り汚なき旧式蒸汽機関車に勝ること万々なるは云う迄もなし」
最終回に「附記 西工学士は最近米国より帰朝したる人にして現に松昌洋行の技師なり」と記されている。
この記事に於いて、西は石炭から電力の時代への転換を見通しながら同時にその視点は「人類の健康」に置かれている。
「蒸汽機関の使用は単に鉄道のみならず一般の工業上経済的罪悪なり、其末燃焼有用の炭素を空中に飛散し又灰中に逸失するは単に周囲を不潔にし人類の健康に大害を及ぼすのみならず燃料の濫費なり」
「紐育市の地下電気鉄道の如きも純然たる大鉄道にして年々数千万の客を乗せ且つ風雪の障害を受けざる故毎年交通に及ぼす効果計るべからず、斯くの如くなれば電気鉄道を以て決して贅沢なりとは云う事を得ず、電気機関車は一片の燃屑、燼灰及煤煙も残さずして静かに走り汚なき旧式蒸汽機関車に勝ること万々なるは云う迄もなし」