ギリシャのアトスは美しい自然の景観と修道院群が共に世界遺産に登録されている。
中世からの自然がほとんどそのまま残っており、切り立った崖の上や森の奥に20の修道院がある。
世俗の欲望を捨て、ひたすら神を求め、神に向かい合って生きる修道士たちが2000人暮らしている。

女性は一切立ち入ることが禁じられている。
飼われている動物にもメスは一匹もいない。
ネズミを狩るための猫のみが唯一、メスであってもこの地に住むことを許されている。

神と向かい合って生きる男たちは、このエーゲ海を望むギリシャのアギオン・オロス半島のアトスで、最低6年間の修行を経て修道士となり、アトスの外へ出ることなく祈りの生活に徹して生涯を終える。

アトスは山である。標高2033m。
ギリシャ内の自治区であって、船で行くのだが、以前は小船で現在はフェリーに乗って行ける。手続きはウラノポリスのギリシャ語と英語の黄色の看板の事務所(Holy Executive of the Holy Mountain Pilgrim's Bureau) でパスポートを提示して、Diamonitiria (巡礼者としての滞在許可)を発行してもらう。それから宿泊予定の修道院に連絡して宿泊の許可をもらわないといけない。€30の支払いが必要で宿泊代と食事代はこれに含まれる。最大3日間、または4日間の滞在可能という2つの資料があり、どちらが正しいのか不明。1日100名以内という制限や6月ー8月は半年前から予約しないと修道院に泊まれないという状況。

女性は船の上から、聖地が汚れないように500m以上離れて景観を眺めることしかできない。半島周辺のツアーを行う観光船があり、アトス山を垣間見たい女性のための唯一の選択肢である。
世界遺産でありEUから女性差別と批判されているが、そのような声は無視されるべきである。

昔、イエスの母マリアが、イエスが死から生き返らせたセント・ラザロスが死ぬ前にもう一度会いたいとキプロス島から手紙を寄越したので、船で向かっている時に嵐に遭い、アトスの海岸に避難した。そこで奇跡があり、人々はキリスト教に改宗した(マリアの上陸後の出来事には諸説ある)。その後この地の修道士たちは聖母マリアのみを崇め、一般女性を遠ざけた。その伝統は守られるべきである。